もうひとつの嗅ぎ方
食べ物の香りは
"こちらに入ってくる"こともあれば
"向こうに出ていく"こともある
先日 桜の天ぷらを食べたときに
強烈に実感した
桜天ぷらをくんくんした時には
「ほのかに香る桜」だったのが
パクッ&モグモグっとしたら
物凄く
いや むしろ強烈に
想像を絶する膨張率で
考えられないほど濃厚な桜の香りが
鼻から抜けていった
実感した
食べ物の香りは
"こちらに入ってくる"こともあれば
"向こうに出ていく"こともある
おもしろい
実際の風味は
味と匂いが混ざり合ったもの
だからもちろん ベロでも桜を感じてはいたんだろうけど
嗅覚は それをはるかに超えている
嗅覚が風味に はるかに大きく影響していることは
鼻づまりや風邪ひいたときの料理の味気なさが物語っている
だけど
嗅覚は弱い感覚で現代人にとってはほとんど意味がないと主張する人たちは、この単純だが説得力のある事実に目もくれない
先駆的な性科学者ハヴロック・エリスも、やはり嗅覚をあなどっていたから、風味にはたす嗅覚の役割に最低限の評価を下そうとした
「嗅覚がまったくきかなくなっても、人間の暮らしはそれまで通り続くだろう。人生の快楽、とりわけ飲食の楽しみは、ある程度失われるかもしれないが、著しい変化はほとんど、あるいはまったく起こらないのではないか」
いったいどんなに偏狭でつまらない精神生活を送れば、こんなことが書けるのか
想像するのも気が進まない。
嗅覚は食事の楽しみに大きく寄与していて、それだけでも称賛に値する
美味しいものが大好きで 食いしん坊なワタシには
嗅覚は決して失いたくない感覚だょ